- マネジメントにおける2つの主要スキル
- 誰に教えるのか?
- 【研修】ロールプレイング
- 事例を研究して「組織知」にする仕組み
- G-POPは、組織全体のが自立自転する仕組み
- ハードマネジメントの限界
- Off-JTの実施及びその規模は、従業員数に正の相関がある
- 計画的なOJTの実践
- OJTとしての1on1の実施
- すぐにできる効果的なOJT法とは
- 業績を上げ続ける為に、すべきこと
- 業績を上げ続ける為の組織として
- 「自立自転する組織」を実現させる為の「G-POPマネジメント」
- G-POPマネジメントの大事なポイント
- G-POPマネジメントを実践することによる効用
- 自立自転する組織が成立する為の5つのステップ
- 1on1の課題を解決するグループコーチング
- グループコーチングの手法とその効果
- グループコーチングで使用するG-POPフォーマット
- G-POPフォーマット:「Goal」を記入するポイント
- G-POPフォーマット:「やると決めたこと」を記入するポイント
- G-POPフォーマット:「結果」を記入するポイント
- G-POPフォーマット:「そこからの学び」を記入するポイント
- G-POPフォーマット:「次のアクション」を記入するポイント
- GCにおけるファシリテーターの役割とポイント
- 組織のG-POPマネジメント:ゴール設定(Goal)
- 組織のG-POPマネジメント:ミッションアサインメント(Pre)
- 組織のG-POPマネジメント:OJT設計(On)
- 組織のG-POPマネジメント:振り返りのPost(ポスト)が大事
マネジメントにおける2つの主要スキル
・マネジメントはスキルなので学べば誰でも習得できる
・主要スキルは2つ
- PM(Project Management = 仕事を進めるスキル)
- PE(People Empowerment = 自分も含めた人をやる気にさせるスキル)
誰に教えるのか?
教育の効果について、筆者の言葉より、
「学ぶ気がある相手に」きちんと教育すれば、大きな効果があるという事を学んだ。
学ぶ気があるというは、どういう状態か?
Original Tips!
- 学ぶ事に対してのメリットを感じている状態
- 学ぶ事に対しての緊急性を感じている状態
- 圧倒的な成功体験に縛られていない状態または、成功体験から脱却できた経験がある
【研修】ロールプレイング
・入社1か月以内に従業員に成功体験を積んでもらおうという、ゴールから逆算した研修の思想設計がある
・1か月以内に初受注する為には、入社2週間以内には独り立ちが必要
・基本的な営業の「型」はあるが、1人1人の状況や特性を見ながら、1人の落ちこぼれも生まないように、あの手この手でフォローをする
・全ての営業メンバーが2人ずつ、営業役と顧客役になりロープレ
・長いロープレは意味がないので、1テーマにつき2~3分のロープレを繰り返します
・その中で良いロープレを選び、全営業担当がそのロープレを習得していく
・合言葉は「お客様(本番)で練習をしない」
・最もプレミアム(高額で複雑)な営業は、ロールプレイングではなく、レベル別のマニュアルを作成
事例を研究して「組織知」にする仕組み
・リクルートでは、研修やOJTだけでなく、様々な部署で、良い事例がドキュメント化され、共有する為の発表会が実施されている
・何十年もかけて作り上げたリクルートの組織最適で、一朝一夕に導入するのは簡単ではない
・ただ、このOJTの仕組みを導入できると、現場が自立自転し始める
G-POPは、組織全体のが自立自転する仕組み
上記の通り、「経験学習」を通して「組織全体」がOJTによって自立自転している状態。
ハードマネジメントの限界
マーシャルゴールドスミスという、エグゼクティブ・コーチングの第一人者より、
「ハードマネジメント」の「おかげ」で成長したと考えている可能性がある。しかし、「ハードマネジメント」を受けたにも「かかわらず」成長できた人間だった可能性があり、「ハードマネジメント」を受けなければ、もっと容易に成長できたかもしれない。
という考え方を持つ。
・「叱る」には大きな弊害がある。
人に考え方や行動を変えるように命令することはできない。唯一適用できるのは自然の法則だけだ。成功した人々がさらに成功していく様子を30年間観察してきて得た唯一の自然の法則はこうだ。「自分の行動を変えるという事も含めて、人が何かをするのは、自分の価値尺度からみて自分の得になると考える時だけだ」
マーシャル・ゴールドスミス署「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」のP44より
・そこから当書籍の筆者はマネジメントスタイルを180度変え、メンバーの良いところを探し、そこを「褒める」ようにした。褒めすぎて怠けだした人は誰一人いないとのこと
Off-JTの実施及びその規模は、従業員数に正の相関がある
計画的なOJTの実践
計画的でないOJTとは、現場で何をしているか分からず、PDCAが回っていない(いるか分からない)状態。
OJTとしての1on1の実施
1on1のOJTには、4つの問題がある。
- 時間問題
- 相性問題
- 能力問題
- 形骸化問題
1.時間問題は、単純に時間がない問題。これは、分担で解決するが、2~4の問題が発生する。
上記を解決するグループコーチングが、
OJTを再発明したマネジメントとになる。
すぐにできる効果的なOJT法とは
ウォークアラウンドというOJTマネジメント法。
フロアを歩きながら、新しく入った人に声をかけたり、元気がない人を励ましたりする。
ポイントは3つ(3段階の介入)
- 現状把握:定期的に職場を眺めて変化をつかむ(定期的に見ているから気が付く)
- 解釈:見ている事実に加えて、様々な情報を総動員する
- 介入:変化が起きている人に対して声をかける ※1
※1 余計なお世話になる可能性があるので気を付ける。(あるコールセンターでメンバーに歳の離れたリーダーがランチに参加したらそのチームの生産性がさがったとのこと)
また、より大きな人数や組織、より少ない時間で、ウォークアラウンドの成果を高める為には、
下記のような仮説検証ウォークアラウンドがも活用できる。
また、ベル研究所等は、オフィスの通路の間に、立ち話ができるスペースを用意したりなど、自然とウォークアラウンドが発生する仕掛けになっていた様子。
本人に仕事の段取りを考えてもらう方法もある
- 仕事の依頼をする
- メンバーに、すぐに30分間、その仕事の段取りを考えるように依頼する
- 30分後に30分間、メンバーと仕事の段取りの確認をする
- その段取りに対してアドバイス、指示を行う
上記の肝は、依頼直後のレビューによる「現状把握」が効果的
業績を上げ続ける為に、すべきこと
・企業は成長し続ける必要がある
・成長している企業の特徴は、「全ての関係者に満足が必要」と回答した経営者だった
業績を上げ続ける為の組織として
・企業は業績を上げ続けなければならない
▶「一極集中・上位下達型組織」
・従来のは、一部のリーダーが戦略を考える
・このような組織では、現場で判断できないので、スピードの遅さが、変化が速い時代に命取り
▶「自立自転する組織」
・経営者は大きな方針を決める
・変化の「兆し」は、現場でしか気がつかない。この変化の「兆し」が重要。
Original Tips!
議事録の共有、メモの共有を徹底し、兆しを獲得できるような仕組みにする
・未来が見通しにくく、変化を前提に試行錯誤が必要な現在では、組織も「アジャイル」が求められている
・アジャイル開発のステップは下記の通り
- 2週間のスプリント期間
- 現場が判断し開発を進める
- 6人程度のチームの場合、毎朝MTGで状況確認やその日の計画等を共有
- 2週間に一度のショーウィンドウというMTGでプロジェクトオーナーに開発物を提示
- 全員で次の2週間の開発の優先順位を確認する
「自立自転する組織」を実現させる為の「G-POPマネジメント」
・G-POPは、それぞれ、本書籍の造語で下記の要素から成り立つ
- Goal(ゴール)=目標や計画の立案
- Pre(プレ)=ミッションのアサインする
- On(オン)=ミッションを実行・修正
- Post(ポスト)=振り返りをし、成功要因、失敗要因を組織知(ナレッジ)にする
・マネジメントは確率論。成功する勘所や失敗を避ける勘所を知っている事で成功確率を上げられる
G-POPマネジメントの大事なポイント
ハイパフォーマー(組織・個人)の仕事の進め方には、次の行動は習慣化されている。
- 常にGoal(ゴール)を意識し、
- Pre(事前準備)に時間を使い、
- 現場で相互アドバイスしながら機敏にOn(実行・修正)し、
- 実行後のPost(振り返り)から学び、成功の再現性を高める
・On(実行・修正)にて、実行修正を繰り返すプロセスをサポートすることが本来のOJT
G-POPマネジメントを実践することによる効用
グループコーチングをしたG-POPマネジメントを実践すると、下記の効用がある
- 自然にメンバー個人、個人の仕事のスキルが向上
- 自然に現場でのOJTが機能し始めます
- 自然に現場の見える化が進みます
- 自然にナレッジマネジメントが促進します
上記のOJTは、真の意味でのOJT。メンバー全員が現場の経験から学ぶ「経験学習」を示す。
・上記のOJTをテキストでストックすることによって、個人のトリセツができる
・そうすると、階層、地域、職種、事業を超えて、現場のメンバーが何をしているのか簡単に、誰でも把握できるようになる
自立自転する組織が成立する為の5つのステップ
- 現場の見える化
- ナレッジマネジメント
- メンバーの特徴把握
- メンバーの「仕事の進め方のスキルアップ」実現
- (結果として)最適人材発掘、人材配置、人材育成、人材採用を実行
・成果を上げる人と上げない人の差は才能ではない
・成果の出る仕事の進め方が「習慣」になっているかどうか
1on1の課題を解決するグループコーチング
前出の通り、1on1のOJTには、4つの問題がある。
- 時間問題
- 相性問題
- 能力問題
- 形骸化問題
これを解決するのが、グループコーチング(GC)であり、それは次のような手段で行われる。
グループコーチングの手法とその効果
下記のような手順で実施(全体で1週間)
- 瞑想:心を落ち着ける
- チェックイン:1名ずつ発言(例 24時間以内にあった感謝)
- 報告者がG-POPフォーマットを使って状況報告
- 他のメンバーは感じたことを共有する
- 報告者は他メンバー全員の発言が終わった後、感じたことを共有
- 3~5を参加者4名で繰り返す
- チェックアウト:お互いの感謝の気持ちを伝える
各ステップにおける、メンバー同士が相互作用を行う仕掛けについて
- 瞑想により、心をフラットにする
- チェックインで「24時間以内にあったありがたい話」をすることで場をポジティブに
- G-POPフォーマットに記入すること自体がセルフコーチング
- 全ての参加者が平等に話を聞いてもらえる機会がある
- 批評や指示、アドバイスではなく、感想を交換する
- 感じたことを率直に話せる
- チェックアウトで感謝と気づきを伝えることができる
・このグループコーチングはWEB会議システムで録画を見て、後で改めて見ることを推奨
・自分の話す特徴、聞く特徴等が容易に把握できるから。
・言葉の語尾や表情等を意識して修正することでコミュニケーションレベルが向上
・短い時間で端的に説明する能力が高まり、プレゼンスキルが向上
・メンバーの1週間のセルフマネジメントの結果をストックし共有する
・ハイパフォーマーの疑似体験、上司の現状把握、必要な人とMTGという時間削減が実現
グループコーチングで使用するG-POPフォーマット
・目的は「自ら学ぶ」ことが目的
・類似のものは日報、週報、月報といった会社に報告するフォーマットは会社への報告義務
・G-POPフォーマットは「自ら学ぶ」習慣がつくようになること
・G-POPシートは、長期から短期のGoal(ゴール)を常に意識する
・その為に、①人生をかけて、②今年、③今月、④その他の期間が異なるGoalを記入
・結果、毎週、GCのたびにGoalを意識するフォーマットになっている
・4つの項目を記入していると、常に上部に意識が向く
・先週の計画や次週の計画は、自分自身の長期から短期のGoalに関連してくるのか目に入る
・ついつい目先の事だけをやっていないか気づくようなフォーマットになっている
G-POPフォーマット:「Goal」を記入するポイント
・長期から短期のGoalを意識する為に、①人生をかけて、②今年、③今月の期間で記入
・「④その他」を加えて、期間ではないGoalも記入できる
・「①人生をかけて」のGoalついて、書ける人が書けば良い
・「いかだ下り」でキャリアを積んで「山登り」で専門性を高める
いかだ下りは、船に乗って川の急流を下っていく。川の河口がゴールですが、そこに行くことが目的ではない。急流でいかだを下りながら、船頭の指示に従い、いかだ上での自分の座る場所を変えたり、岩で棒で突いて方向転換を行う。つまり、チームワークを行う。つまりチームワークを学ぶ。若い時にチームで仕事をする術を学ばないと、その後チームで仕事をする、あるいはチームをけん引する際に困る。「いかだ下り」ができるようになると、次は「山登り」を覚えて専門性を磨いていく。
リクルートワークス研究所の前所長の大久保幸夫さんのキャリア論より
G-POPフォーマット:「やると決めたこと」を記入するポイント
・1週間の計画(あるいはプライベート)のうち重要なタスクを記載
・ここでいう「重要」とは、自分のマインドシェア(気持ち)が高いものとタイムシェアが多いタスク
・完了基準を記載。完了基準は、1週間後に記入した際に、「できた・できなかった」を判断
・それらのタスクが、上記のGoalのどれかと関連しているかをチェック
・①~④の工数(時間)を書いておいて「やると決めたこと」と比較すると時間配分が分かりおすすめ
G-POPフォーマット:「結果」を記入するポイント
・重要なのは「事実を記入」すること。自分の想像、類推を入れると「正確に振り返れない」
・仕事で問題が起きた場合、①現状把握→②解釈(課題発見→解決策立案)のステップで解決
・間違った現状把握をすると「②解釈」は不正確になる
G-POPフォーマット:「そこからの学び」を記入するポイント
・タスクと結果から何を学んだのか振り返る
・うまく行った時にはその理由といかなかった時にはどうすればよかったのか遡る
・改善する為には3つの観点が役に立つ
- 時間の見積もりの仕方を変える
- 視点を変える
- 視座を高める
G-POPフォーマット:「次のアクション」を記入するポイント
・ここは翌週のG-POPのPre(事前準備)になる
・次のアクションには「来週以降に何をするのか」を書く
・次のアクションは、翌週のGC(グループディスカッション)をする事前準備で2点留意
- Goalに記載している内容を進めるためのアクションを記載
- 「振り返り」で気が付いたことに関連する内容を記載
GCにおけるファシリテーターの役割とポイント
・ファシリテーターの役割は大別すると2つ
- MUSTの役割は「進行役」
- WANTの役割は「視点」と「視座」の提供
・ファシリテーターは、以下のいずれでもない
- ティーチャー(教える人)
- コンサルタント(答えを見つける人)
- コーチ(伴走する人)
・ファシリテーターは、そのグループ、個人が答えを持っていると信じ、その答えを見つけるのを支援する役割。つまり、参加者のセルフマネジメントを支援する役割
下記のような手順で実施(全体で1週間)
- 瞑想:心を落ち着ける
- チェックイン:1名ずつ発言(例 24時間以内にあった感謝)
- 報告者がG-POPフォーマットを使って状況報告
- 他のメンバーは感じたことを共有する
- 報告者は他メンバー全員の発言が終わった後、感じたことを共有
- 3~5を参加者4名で繰り返す
- チェックアウト:お互いの感謝の気持ちを伝える
次の時間割が1つの目安となる
- チェックイン終了:開始から10分以内
- 1人目終了:開始から20~25分前後(発表時間は1人5分が目安)
- 2人目終了:開始から30~35分前後
- 3人目終了:開始から40~45分前後
- 4人目終了:開始から50~55分前後
- チェックアウト終了:開始から1時間
・ポイントは③のステップにて事前に準備して5分以内で説明できるようにアドバイスする
・5のステップについて、他のメンバー全員の発言が終わった後に感じた事を共有
・一問一答にならないようにガイドするのもファシリテーターの役割
・時間意識がない人には意識をもってもらうようにガイドする
・もし、その内容がよほど重要であれば、別時間を設けて話すようにガイド
・これはファシリテーションの世界では「パーキングロット」と呼ばれるスキル
・ファシリテーターは、その人の「強さ」や「良さ」だけに着目
・「弱み」や「悪さ」を指摘しても、その人が変わることは極めて稀。本当の意味で「変わる」のはその人が「変わりたい」と思った時だけ
▶「やると決めたこと」は3つの観点でチェックする
- 抽象度が高すぎないか?
- 目的ではなく手段を書いてないか?
- 完了基準が明確か?
▶「結果」は事実とそれ以外で分ける
・ここでは、事実と想像や類推を分けて記載することを確認することがポイント
▶最重要ポイントは「そこからの学び」
組織のG-POPマネジメント:ゴール設定(Goal)
・「個人のG-POP」と「組織のG-POP」がある
▶組織でGoal設定する際の1つの方法論について
・事業戦略設計(MVV)についての6つ実施するパートを実施
- MVV設定:会社や組織の存在意義や使命や価値。中長期に実現したい内容
- 市場・顧客把握
- ビジネスモデル特定:自社のビジネスモデル特定
- 目標・戦略設計:①売上CSF特定 ②コストCSF特定 ※1
- 組織設計:下部組織長に「6」を共有
- 目標・戦略共有
※CSF(Critical Success Factor)。主要成功要因、目的達成に向かうべきアクション
・設定に対して次の5つのポイントを意識
- 目標の確認・修正・調整
- メンバーの「will」「can」把握
- メンバーの「can」拡大支援
- ミッション設計
- 戦略共有
「メンバーの「can」拡大支援」」の設計について、特に高い目標を実現するために新たなスキルやレベルが求められる場合、どうやったらメンバーのスキルアップできるかの方法論を考える。ここで、Off-JT又は、グループコーチングによるOJT支援も可能。Off-JTの「本来」は、ミッションを決めて、本人とのスキルのギャップを埋める為に教育を施すのが仕事。
組織のG-POPマネジメント:ミッションアサインメント(Pre)
2つの事前準備を行う
- ミッションアサインメント
- モニタリング設計
ミッションアサインメントは下図のようにツールを使うと良い。
下記は、事業部長が作成したミッションアサインメントツールは、下図。
組織のG-POPマネジメント:OJT設計(On)
次の2点を行う
- OJT設計
- 実行・修正
・OJTは狭義の管理ではない
・MVVは組織全体で行うというよりもリーダー+αで実行可能
・しかし、Onの部分は関係者は全員
・On、つまり執行部分のレベルが向上できると、きわめて生産性が高い組織となる
組織のG-POPマネジメント:振り返りのPost(ポスト)が大事
・成功も失敗も振り返り、成功を称え、失敗は検証して次のアクションへつなげる
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